意味がないこと
私は、
意味がないことや無駄なことを嫌うタイプの人が嫌いだ。
タイパ、と言う言葉を見るとゾワゾワしてくるし、
ひと暴れしたくなる。
これは単なる好みの話。
無駄を無駄として毛嫌いしたり、
意味がないことを否定したり、
その根底には損得勘定が働いている。
損得勘定は、何を考えるにしても重要ではある。
会社の売り上げ、人間関係、立ち振る舞い。
私の前職といえば、モロ経営分析に関係するような職業だったので、損得・損益を考えることは人生の舵を取る上でも大切な観点と知識であることを当時は色濃く認識していた。
前職の職場に限らず、ありふれている、無駄なく、卒なく、そこに意味を成し得ないことを嫌う人たち。
仕事をする上で、そういう思考は身につけておくべきことなんだと思う。
だけど生きていく上で必要なことは、意味がないことの積み重ねなんじゃないかと思ったりする。無駄にすぎる時間も、しょうもない恋愛も、人生の指針にもよるけど大体意味はない。けど意味もなくて、価値もないものは、「私」を生かす重要な項目であることには間違いない。それはまさしく、「感情」であり、感情を尊重することはすなわち、自分を愛することと同意義であると私は思っている。
器用に生きる人もいれば、不器用にもがく人もいる。人生の荒波がない人は、たぶんそういう人生なんだと思う。器用に美しく生きられる人もよし、不器用で情けない人も、それはその味しか出せない魅力がある。きっと、その魅力に気がつくためには、いくらか自分の意味のなさを許容してきたかにあると思っている。
24.11.08 - エッセイ 意味のないこと
11/8/2024, 1:10:43 PM