とげねこ

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二日後の昼に、廃棄された街へ辿り着いた。

替えの部品があれば僥倖だが、発見できる確率は五分より悪いかもしれない。
街が廃棄される主な理由を考えると、仕方ない。視界に確認できる限り、構造物は破壊しつくされ、有機物を主成分とするものは残っていない。
進蟲−蟲による進行−によるものだ。これにより、蟲族はじりじりとその勢力圏を拡大している。

ポポウは、瓦礫を漁りながら、自身が器械族で良かったと思う。人族と異なり、食糧の補給は不要だし、替えが効くだけ身体の破損にも強いのだから。

とはいえ、このまま部品がないと、逆に自己修復能力が皆無なポポウとチチュンは早晩動けなくなってしまう。
-器械族と共存していた街であればよいのだけれど…
もう常になった焦燥感を抑えながら、捜索を続けていく。
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※街へ のお題です

1/30/2024, 2:30:47 PM