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「神様、どうか僕たちに笑いの才能をください……」
 売れないお笑い芸人の青年が、必死に手を合わせていると、目の前に一人の老婆が現れた。
 それは、青年が憧れた『笑いの神』そのものの姿だった。
「神様だ……!」
 感激して呟いた青年に、老婆姿の神様は不思議そうな表情だ。
「神様、神様じゃないですか……!」
「あ? とんでもねぇ! あたしゃ神様だよ!」
 最高の間で言った筈の神様の言葉に、青年は感激したようにおいおいと泣き出した。
 笑いが取れなかった神様は、不本意そうな顔をすると、そのまますぅっと消えてしまった。


 お題『神様が舞い降りてきて、こう言った。』

7/27/2024, 1:18:22 PM