枯葉の落ちる季節はとうの昔に過ぎ去り、私たちは春を迎えようとしている。
散歩がてら、等間隔に生える街路樹はまだ寒々しく裸の枝を晒しているが、中には新たな蕾を膨らませる木々も見受けられた。
そして、その足元には、枯葉がたまっている。
まだ芽吹きそうにない蕾たちは、水分を失って茶色に枯れた先立を見て何を思うだろう。
自分たちも立派に咲き誇ることを願うだろうか。
誰かを幸せにすることを願うだろうか。
生きている間に、散ってしまう前に、成し遂げられることを考えるのだろうか。
正直、なんでも良い。
きっと数週間後には美しく咲き誇り、新たな門出を祝う祝福の花を咲かせるに違いないのだから。
それを踏まえて、貴方たちが枯葉になるその時までに、私も成長した姿を見せにこよう。
貴方たちが枯葉になったように、私もたくさんのことを吸収して、必ず成長してみせるから。
花弁を散らし、青葉が枯れる、その時までに。
2/19/2024, 5:30:48 PM