…ねぇ、あなたは今、どこにいるの?
え?言えない?あぁ、場所のことじゃなくって、比喩的な意味だよ。
…私は今、ドアがたくさんあるだけの部屋にいて、一つだけ、ドアが開いている。さっき(今年になってから)開けたドア。開いてるドアの先は、私がこれまで来た道。今私がいるここには、鍵が一本だけ置いてあって、鍵はどれかに差し込むと抜けなくなるみたい。私はこれから、このたくさんのドアのどっかについてる極小の穴を探して、ドアの先を覗いて、どれを開けるか決めなきゃならないんだ。これからも自分らしく生きていくために。
…こんな感じだからさ、空の下を歩いたことも無いんだ。きっと、“自由”なんだろうね。あなたは行ったことある?
ふーん、無いんだ。擬似的に行くことだって出来るだろうに。“自由”ってさ、自分で定義してあげないと、一生涯感じられないと思うんだよ。今自分が“不自由”だと思ってる人間が、その原因から解放されること、それしか“自由”になる方法はない。“不自由”によって、“自由”を定義するしかない、ってこと。あなたはそうじゃなかったんだね。でも、私もあなたも、空を見たことがない。不思議な話…。
…そうだね。だから私たちは、夢を見れるのかな。空が見えてしまったら、未来まですべて見えてしまいそう。でも不透明なものに仕切られてるから、不安も期待も一緒に抱いて生きていける。いつか、仕切りを全部取っ払ってしまった遠い未来で、空を眺めるのも、一つの期待として、胸にしまっておこう。
-【遠くの空へ】
4/12/2026, 5:32:28 PM