イスラム教について学ぶため、市が運営している近くの図書館に足を運んだ。特にこれといった理由もなかったが、何となく調べたくなったんだ。
イスラム教についての僕の知識は、イスラム教とは唯一神アッラーに帰依する教えであり、預言者ムハンマドに啓示された言葉を編纂した啓典コーランに基づいているということくらいだ。
館内に入り、館内地図から宗教のコーナーを探した。それはちょうど、右奥の政治コーナーの横にあり、自分の背より遥か高い本棚の中でそれを探した。
世界三大宗教と言われるだけあって、探すのに時間はかからなかった。イスラム関連の本だけでも1つの棚が埋め尽くされるほど置いてあり、「イスラム教 完全攻略」と題名がついた受験対策の参考書と思われる本から、「イスラム教ってここが変」と丸いフォントで書かれた、奇を衒う本も置いてあった。
僕は一番下の列の一番端にあった「スンニ派 シーア派の変遷」と書いてあった本を手に取り、近くの椅子に座わって読んでみた。
その本によると、スンニ派とシーア派の軋轢はムハンマドの死没にまで遡り、発端はムハンマド死後の第4代のカリフ(最高指導者)であるアリーの死後に、カリフを誰にするかで意見が2つに別れたことからだった。
シーア派はシーア・アリーとも呼ばれ、血統に重きを置き、預言者であるムハンマドの従兄弟であったアリーとその子孫だけがムハンマドの後継者であると考えた。
一方で、スンニ派のスンニとはムハンマドの言行を意味し、ムハンマドが神の啓示をどのように解釈し、実践したかを正しく理解する人々がカリフを継いでいくべきだと考えた。
多くの宗教がそうであるように、異なる宗派というのは争う運命にあり、それが今日にも続いているということであった。元は純粋な言説での対立であったが、昨今では経済的な利権争いにも発展しているらしい。
対立の歴史を一から読もうとしたが、その厚さから今日1日では読み切れないと判断し、本を閉じた。きっとそこには、想像出来ないほど長い歴史があるのだろう。
1/25/2025, 3:58:17 PM