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芽吹いた生命は、その瞬間から落下を始める。
落ちていくため天まで昇る。

下へと引きずる力を借りて、遠く高くを浮かぶのだ。
枝葉末節恐れず飛んで、宙を揺蕩う花と成れ。

お前を襲う大気も熱も届かぬくらいに舞い上がり、
丸みに沿ってゆっくり素早く、堕ちてこい。

私はお前を見守ろう。
いつかは花散り燃え尽きるまでな。

『落下』

6/18/2024, 1:49:40 PM