『君が見た景色』
君からの手紙を開く。
"これを読んでるということは私は..."
そんな冒頭から始まる手紙。
内容は私が記した場所に向かって欲しいとのこと。
早速出かける準備をする。
玄関を出て、角を曲がって、
いつもの駄菓子でアイスを買って...
そのまま真っ直ぐ、商店街を突き抜けて公園へ。
そこで休憩をして学校の正面の道を通って
3つ目の信号を曲がって...
田んぼに挟まれた
緩やかな曲線を描いた道をふちに沿って歩いく。
その先の十字路を曲がって、横を向けば...
「帰ってきちゃったぞ...?」
手紙を読み直したが間違ってはいない。
次のページがあり読んでみる。
"おかえり。私が君と見た景色。綺麗だったよ。
私との思い出を糧に前に進めますように。"
...帰って食べようとしてたアイスも
ドロドロに熔けてしまった。
君と一緒に食べていたアイスクリーム。
君との時間と同じようにもう元には戻らないだろう。
それでも...君の分まで俺は進まないと。
荷物を降ろしてもう一度アイスを買いに玄関を飛び出した。
語り部シルヴァ
8/14/2025, 10:48:15 AM