「贈り物の中身」
気まぐれに天使が自分の羽を下界に落とす。
それを見つけた人間は願いが叶ったり、いい気分になったり、ちょっとした奇跡につながる。
そんな羽を1人コツコツと集めて隠し持っている者がいた。
彼女は美しい鳥で、美しい天使に憧れていた。天界こそが自分の居場所だと信じて疑わなかった
「こんなにも羽が集まるということはやはり天使になるのにふさわしいということね」
不遜な彼女はこれまでに落ちた奇跡を眺めて天界に行くのを待った。
そしていざ天寿を全うし神の審判の場で申した。
「これまでこんなにも天使の羽を集めてまいりました。天界で一番美しい天使になりたいのです!」
神は少し考えてこう告げた。
「お前は羽を集めるだけで天界に来ようとしなかった。夢を叶えるのは少しの奇跡でも掴み取ろうとしている者だけだ」
子供の姿をした天使たちが悪戯っ子のようにクスクスと笑った。
12/3/2025, 11:55:43 AM