ひまわりさん

Open App

お題「風に身を任せて」

蝉しぐれが鳴り出すのももう少し、
風鈴の音が朝の涼やかな音に
耳の涼しさを受け取る。

時刻は午前早朝
足早に出勤時間への過ぎ去る瞬間。

夏の思い出の扉のあの夏の朝の匂いがした。
アスファルトの焼ける匂いにも似た匂いだ。

今の季節は梅雨入り1週間前。
本日は同じ景色に隠れた
人となりの明るい声掛けを耳にして
背筋がピンッとした。

駆け抜けてゆく人並みに
立ち止まる変わらなさそうな過去の集団に
いつもの流れに任せて

一瞬、その流れに一緒に過ごした
学生のあの姿が脳裏に残る。

キリッとした表情や、
何かの先を思考しながら歩く姿には
緊張にも、声にも私は怯えがあった。

時刻は集団の行動範囲が一番長い時間帯。

駆け抜けた自転車に、
並ぶ人並みに、拒否感を得た。

でも、その道のりの本人たちの声は
暖かく、ポンッと背中を押されるような
期待や、出逢い、馴染み、親しみ
そんな意識が同調して歩いた僅かな道のりに

優しさに包まれて移動する
初めての経験をした。
大人になれない自分自身をすぐに見抜いたのは意識だっただろうか。

あの掛け声に、
懐かしさと、こんな風に社会人を超えて
受け止める視野は、
落ち着いたペースで歩く、
先を得る視野や、混濁とした歩く集団活動に

何毎でもない、
応えがそこには実際に向けられた。

その出来事が何より
ここに要られるから
ここに育ったから
ここを愛すからの
応答だった気がする。

答えのない見守る意識は
包まれる時間のほんの少しの1言だった。

「〇〇○、息抜きに遊んでおいで」

それだけでも、
その言葉だけでも、
ここに居て、姿だけじゃない意識は

ほんの一瞬のふわっとした
満たされる時間を許されたという
充ちたりた粋のある応えだった。

風の吹く一瞬、
ふふふっと笑うその微笑みの声が、

癒やしの少し間の抜けた
ふっとした声だった。

風のゆく通りに
何ものでもない愛らしいイタズラだった。

想うままに生き抜く事よりも
そうなりたいと願う心強さは、

いつでも変わらない誰かの似た声に、
ひとつの涙が自然と包んだ。

5/14/2026, 11:29:36 AM