白玖

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[君と出逢ってから、私は…]

君と出逢って私は不幸になりました。
その不幸は、とても激しく心臓を締め付け頭の中を掻き乱してくるものでした。
けれど一方では、とてもとても甘くまるで赤ワインのように私を心地良く酔わせてくるものでした。

君は知っていましたか?
『恋は劇薬』だと。

不幸を内包した、幸福の過剰摂取だと。
自分自身ですら気付かない内にその毒は体内へと進行し、じわじわと心を、頭を、身体を壊していくのです。
そしていつしか、その劇薬に身を浸すことに心地良さを覚えるのです。
たちの悪い劇薬ですが、解毒剤など存在しないのです。

ああ、たった一つだけ解毒剤が存在していましたね。
『愛』という名の解毒剤が。

君はどうですか?
君の【それ】は『恋』ですか?
君が抱くものは『愛』ですか?

君が抱いているものが『愛』と呼ばれるものであるならば
どうか、私の心を蝕む『恋』と呼ばれる劇薬を
君の『愛』で溶かしてほしいと

5/5/2023, 10:30:28 AM