川柳えむ

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 タイムマシンを開発するのが夢だ。
 その第一歩として、未来が覗ける双眼鏡を開発した。
 左のレンズにあるリングで日付を、右のレンズにあるリングで時間を指定すると、その指定した日時が覗けるのだ。
 早速試してみる。まずは一分後。特に変化はないが、ちゃんと覗き込める。次は一時間後。お、物の位置が変わっている。じゃあ次は明日。大きな変化は見られないが、やはり物の位置が若干変わっている。
 よし、次は百年後……見えない? 十年後も、見えない……。五年後も見えない。では、一年後は?
 驚いた。一年後、タイムマシンを完成させている自分の姿が見えた。
 もしかして、この双眼鏡では一年後が限界なのかもしれない。しかし、それでも構わない。タイムマシンを完成させて、直接自分の目で未来を確かめればいいのだから!
 それから一心不乱に開発を続けた。
 とうとうあの日見た瞬間が訪れた。タイムマシンを完成させたのだ。
 意気揚々とタイムマシンに乗り込み、百年後を設定する。
 あの日見えなかった未来へ、出発だ!
 そして、その未来で何も見ることはなかった。あの日見えていたもの――いや、見えなかったものは、確かだった。


『見えない未来へ』

11/20/2025, 11:49:32 PM