九玫

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『日差し』

 炎天下。気温が下がることもなく、最高気温を更新している毎日。周りの視線が更に、その鬱陶しい暑さを増していく。

不安になったから、眼を向ける場所を変えた。

ふと隣の少し高い彼を見て。

眼が合った彼の、微笑んだ細くなった眼を見て。

少し安心した。

―君の眼差しは、どんな日でも心地良い、苦しくない、そんな、優しい温度。

7/2/2022, 4:22:41 PM