たそがれ少し肌寒くなってきたな。と男は身をすくめた。空を仰げば赤と青が混ざったような空の色。世の人々は美しいというが男はこの色を綺麗とは思えなかった。何故なら、この時間帯が嫌いだからだ。ろくなことがあった試しがない。遠くで名前を呼ばれた気がした振り向けば誰かがこちらに手を振っている。誰だ?男は目を細めて顔を確認しようとする。その黒は変わらず手を振っているだけだ。ああ、ほら、また、名前を呼ばれた。
10/1/2023, 10:36:25 AM