イブリ学校

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「お前みたいなガサツな女お嫁に行けるわけ無いだろw」
「うーわノンデリ過ぎてモテなさそー、一生童貞乙w」

中学の頃からの腐れ縁の俺等は花の高校二年生になり雑草も枯れてしまいそうな軽口を叩きながら、お決まりの公園で少し湿った進路希望の紙を見ながら。

俺は言った
「つか進路とか決まってないのにさあ、いきなりすぎじゃね。お前どこ行くとか決まってる?」
そいつは言った
「あー私も決まってないわー、やりたいことってぼんやりしすぎててわかんないよな」
俺はなんとなく言った。
「やっぱ無難に受かりそうで偏差値高いとこにするかー」
そいつは何も言わなかった。

翌日先生に呼び出されて私は鬱々と職員室に向かった。先生はできるだけ私を落ち込ませないように、でも正直に言った。
「私さん今のままだとこの進路は厳しいかもしれないね」
私は言った。
「…ですよね。やっぱり変えようかなって」
先生は慌てて言った
「高い目標を持つことはいいことなんだよ。でもそこに行くにはやっぱり覚悟がないと難しんだ。志望理由が『偏差値が高いから』ってあるけどこれだけだとどうなのかなあって思うんだ」
私は死にそうになりながら
「ん゙ん゙ー」
唸った
先生も
「ん゙ん゙ん゙ー」
唸った

教室に帰ったあとあいつが私に言ってきた。
「お前聞いたんだけど、第一志望◯◯大学だろ。絶対無理だから先生に呼ばれたろw」
私は言った。
「キモ、人の進路盗み見んなよ」
あいつは言った
「いや聞いたんだよ、でも喜べ俺もそこだから。」
私は言った
「アッソ」

それから私は死ぬ気で勉強した。でも、あいつに会う時間が少なくなってしまって一体何のために勉強しているのか分からなくなりそうになった。苦しい時は、この後も一緒にいられるためだと思って頑張った。

合格発表日、私はネットで神様に何度もお願いしながら番号を確認した。合格していた! 次に、盗み見ておいたあいつの番号を確認した。合格だ!
嬉しくてたまらなかった。
すぐにあいつに私は電話をかけた。
「おいおいおい、おいーやったよー合格だったわあ。いやー中々に難しい試練だったよ。あれもしかして落ちちゃったのかなぷーくすくす」
あいつは少し暗い口調で言った。
「あー一応受かったわ。でも俺やっぱ行かないわ。」

「え」
「なんでどした、何かあったの?」

「あーそれがさ実は…」
あいつは何か後ろめたそうな声で、実は落ちると思っていた芸大に受かった事、やりたいことができた事を伝えてきた。私は何も考えられなくなって一言だけ
「そっか頑張ってね応援してる」
そう言って電話を切った。
あいつはなにか付け加えようとしていたみたいだった耐えられなかった。
私は毛布に抱きつきながら泣いた。
芸大はいまレベルの偏差値に加え、デッサンが必要だった。それは私には無理だった。

翌日あいつから電話でいつもの公園で話そうと言われ鬱々と家を出た。公園についたときあいつはソワソワしていた。私はそっけなく
「来たぞー、このクソ裏切り者が」
といった。
あいつはいきなりこう言った。
「大学行ったら俺たちって別々の道になるのかなやっぱり」
私は言った。
「あーまあそうなんじゃね」
それからのあいつはおかしかった。いやぁだの、そのぉだの、遠いとはなにかだの意味のわからない事ばかりを言っていた。私はしびれを切らして
「要点だけ言えよ。もう帰るぞ」
といった。あいつは追い詰められたネズミのような顔をしながら
「俺と付き合ってくださぃ」
小さな声でいった。私は確かに聞こえた。でも信じられなかった。私は嬉しさよりも戸惑いが勝って、
「今なんて言った」
そう言ってしまった。
あいつは限界を迎えて、顔を真赤にしながら言った。
「俺の踊りに付き合ってください」
「え」
あいつはいきなり変な歌を歌いだして、奇妙な踊りを踊り始めた。私は呆気に取られ。一つ間をおいて笑ってしまった。そこから私は踊ってるあいつが差し出した手を取って、一緒に笑いながら踊った。

10/4/2023, 1:13:49 PM