父が泣いている。
ポロポロと大粒の涙が頬を伝う。
「奈々ちゃん。また来て…ねぁぅぅぅぁぁぁぉ」
父は少女のように泣きじゃくって、語尾をバグらせた。
そして乙女のように口元を押さえて、家の中に消えてった。
…。
アホくさっ!
初孫が可愛いのはわかるけど…
お隣ですやん。
案の定、二階の窓からコッチ見とるし…こっわ!
隠れてるつもりなん?アレで?
ちょ、まだ泣いてんねんけど…
今年、還暦やで?
いや、ありがたいよ?
ありがたいんやけどさ…あんなんやったけか?
ウチのオトン。
厳格な父との別れは唐突に訪れた。
『別れ』
5/19/2026, 2:20:46 PM