背伸びしたネコ

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君に会いたくて


君と最後に会ったのはいつだっただろうか

あれは確か寒くなり始める前だった

あの日は別れることなんて想像もできないくらい
幸せな1日だった


私は残酷にもその1ヶ月後にメールで別れを告げた

君は今どうしているだろう
きっと今も一生懸命真っ直ぐに働いているんだろう 
今年も目標に向けて頑張っているんだろう

君は今まで会った人の中で1番尊敬する人だった
君の背中を追って生きていきたいと今でも思っている


最後にそっとポストにいれてくれた
君からの手紙

締めくくりの、ありがとう、という文字を覚えている
君の書く文字は非の打ち所がないほどに、美しかった

君の優しさで溢れているその手紙を、
君と私の間にあった愛が消えてしまわないように
何度も何度も読んだ

君が優しくあればあるほど私は傷だらけになった

忘れたくない気持ちと、忘れなきゃいけないという気持ちの戦いの末、とうとうその手紙も破り捨ててしまった


今日、懐かしい車のナンバーを見かけた
その車に乗る紛れもない君は
少し痩せていて、いつもみたいに髪はくるくるで
綺麗な二重の大きな瞳で真っ直ぐ前を見ていた

その車の助手席で見ていた君の横顔を思い出した

「なんでそんなに見てるの?」

「だって見ていたいんだもん」

「俺は見れないんだからやめてよ、事故っちゃう」

そう言って笑ってできた目尻のしわを
また見たいと思った



君と私
それだけだったら


君は君の世界を生きていて、
私は私の世界を作らなきゃいけない


しばらくはまた対向車の
馴染みのあるナンバーを探してしまいそう

私こそ事故っちゃわないように
気をつけなきゃね  


君が温かい気持ちでいられますように

また来世で待っていて


1/19/2023, 3:34:00 PM