言葉にできない
「車借りる。」
そう、父にLINEを送って私は車に乗った。
どこに行こう。
ただ漠然と夜景を見たい気分だった。
調べても、遠いところが多い。理想は往復1時間半だ。
まぁ、いいかととりあえずマップを入力し、車を発進させる。
「いらっしゃいませ、ご注文お伺いします。」
「クーポン512のホットください。砂糖4ミルク2でお願いします。」
「かしこまりました、3番の窓口にお越しください。」
マップが到着しました。と言う。
ドライブのお供にコーヒーを買いにいつもドライブスルーへ行く。
「すぐわかった!久しぶり!」
会計口にいた女の子は嬉しそうに手を振っている。
ここは1番近くであり、元バイト先でもある。
「砂糖とミルクですぐわかる。」
「だよね....。」
またね。と手を振って車を動かした。
大通りに進み、結局気づけば、同じ道を辿っていた。
夜はいい。車が少ないからスピードを出せる。初心者マークには有るまじきスピードだと思いながら、音楽の音量を上げる。
山の麓のコンビニに車を止める。
いつもと同じようにタバコを取り出す。
吸い終わると、さぁ、山道だ。
山道はまだ怖い。道幅も狭くて、早い車が多いこの地域。私は道を譲ってばかりいる。
頂上へ着くと、また、タバコを取り出した。
煙が広がるのを見る。
この場所が、1番好きな山だ。程よく高くて、そばに植えられた木が遠近感を出す。車から見れるのも、1人で夜景を見るにはポイント高い。
気づけば、唯一マップ無しで来られる場所だった。
片道1時間15分。
いつだったか、このタバコを吸いながら、山道での道の譲り方を教えてくれた人がいた。
この場所でバレンタインのチョコを渡して一緒に食べた人がいた。
助手席に座ってこの山を眺めていた頃があった。
私が好きなのは山なのか、思い出なのか、それとも....。
4/11/2026, 10:18:48 AM