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 先ごろ亡くなった作家の山田太一には『飛ぶ夢をしばらく見ない』という作品があった。時間逆行というファンタジー要素のある小説だ。
 読んだ当時はタイトルと内容の関連性が分からなかったが、改めて考えてみると、飛ぶ夢は若さの象徴なのかもしれない。だとしても、やはり関連性はいまいち分からないが。

 実際に、飛ぶ夢というのは若年層が多く見るものらしい。大空を飛び回る夢はいかにも高みを目指す感じがする。
 自分も子どもの頃は空を飛ぶ夢を見ていたと思うが、成長とともに低空飛行になっていった。最後はジャンプしてちょっと飛ぶ程度。
 夢占いによると低空飛行はストレスが溜まっている状態を表すらしい。

 そのうち飛ぶ夢どころか、早く行かなければいけないのに、足がずっしりと重くてなかなか前に進めない夢を見るようになった。
 この夢は本当によく見た。これはあえて調べなくてもなんとなく意味はわかる。
 そして最近はというと、もう見た夢すら覚えていない。 


『大空』

12/21/2023, 2:16:08 PM