「結婚してください」片膝をついて結婚指輪の収まる箱を彼女に差し出す。絵に描いたようなプロポーズ、こんな大袈裟にするなんてと昔の自分は笑ったことがあるが。なんにせよそれほど本気になってしまったのだ。この人とずっと一緒に生きていたいことを。沈黙が長くて、怖くて。おそるおそる顔を上げる。彼女の目は大きく見開かれていて、その瞳の中にひとつ星が輝いていた。その星の正体に気づいた時、星が溢れおちる。
3/16/2023, 8:43:44 AM