いぐあな

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異世界転生
300字小説

青い空の下で

 どこまでも続く青い空の下、いつかは出会えると思っていたが、こんな再会になるとは思わなかった。
 彼は魔族に担がれた魔王で、俺は人々に押し付けられた勇者。彼は血を流し地に倒れ、俺の剣は赤く染まり。
 彼の目尻のホクロが映る。
「もう一度、今度は普通の人間として俺達を出会わせてくれ」

「……という二人が異世界に転生して、今度は一緒に夢を目指して生きる、というストーリーはどうだ?」
 漫画のストーリー担当の俺のアイデアに、作画担当の彼が露骨に顔を顰める。
「却下。異世界転生モノなら、もう少し捻れよ」
 呆れた視線を送る彼の目元にはホクロが一つ。
「そうかなぁ」
 窓の外を見上げる。どこまでも続く青い空に、俺はひっそりと笑った。

お題「どこまでも続く青い空」

10/23/2023, 10:59:13 AM