夕暮れが僕の前に影を作っていた。集合住宅の共用ライトが一列に点灯して近眼の瞳にはなんだか幽霊のようにまどろんで見えた。振り返ると眩しい茜色が僕の視界を染めていく。日が沈む。街が沈んでいく。僕はその場で立ち止まったまま俯いて、しばらく夕暮れの前に立っていた。[たそがれ]
10/1/2022, 10:17:53 AM