飼い猫が腎臓病になってしまった。
病気へ連れて行ったのは一週間程前、なにやら体を痛そうにして唸って蹲り、飯も水もトイレも、何もかも放棄してずっと、数年前に買ってやったコタツの中で大人しくしていたからである。
診察の結果、痛そうにしていた原因は股関節にあるそうで、少し説明された後、本題はコチラだと言わんばかりに腎臓病の説明を受けたのだが、思ってもいない事だったので酷く驚いた。
それから安くはない病院代を払い、毎日薬を与え新しいご飯を探りながら足に痛みが無いよう家の中に注意して日々を過ごしてはいるが、楽なことでは無かった。
毎日薬を嫌がられ、痛みの残る足で逃げ回る猫
溜息を吐き、ふと愛猫を亡くした飼い主達の「嫌なことばっかりしてごめんね」という言葉を思い出した。
スルリと胸に落ちてくる。
あぁ、あの人達もこういう気持ちだったのか、と
どこか現実味の無かった言葉に重さが生まれた。
猫の為なのだけど、長生きして欲しいだけなのだけど
私のやっている事が猫のストレスになっていることは確かで
薬を与えたらそそくさとまたコタツの中へ逃げ、痛みが引いて出てきても私の顔を見ると警戒して距離を取られてしまう
悲しいが、仕方がない
申し訳ないが、仕方がない
飼い猫は腎臓病のステージ2
調べれば大体1151日生きると言われてるらしい、勿論それ以上生きる事も珍しくは無いだろうが…。
それでもきっと、私にもあの日読んだ愛猫を亡くした飼い主達のように「嫌なことをしてばかりでゴメン」と謝りながら橋の向こうへ見送る日が来るのだろう。
今はまだ、覚悟が出来ていない
『七色』
3/26/2025, 12:52:23 PM