アポロ123号!

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─夜の海─

「…久しぶりだな」

夜の海。
空の色に染まって、気味が悪くなるほど暗い。
波の音だけが聞こえる。
人工的な光で照らされる。
生き物の姿は何処にもない。

「昼間はあんなに輝いているのに。」

でも、あの輝きは海のものじゃなくて、
宇宙の大きな大きな太陽のもの。
ただの借り物。
そんな見方しかできない自分が嫌になる。
でも、そんな自分は今日で消える。

「さようなら。僕。」

小説みたいに洒落た台詞を放つ。
意識が消える寸前、君の声が聞こえた気がして。
僕の心は不思議と穏やかだった。

─お疲れ様。これからは私が貴方を支えるから…

8/15/2024, 3:47:09 PM