sunao

Open App

「流星群が降るよ。」

そう言うと、少女は僕の手を引っ張り、丈の短い草原へと連れ出した。
その頭上には無数の星がこぼれ落ちそうに広がっていた。
「うわあっ。こんなのはじめて…。」

「もうすぐ流星群が降ってくるよ。」
そう言うと、地上近くで星がひとつ流れた気がした。
キラリ。
今度は逆の方。
またキラリ。
キラリ。キラリ。……
星がたくさん降り始めた。

コツンッ。
なにかが当たった。
草の上にもパラパラ落ちている。
「?」
手を広げるとそこにも落ちてきたそれを見る。
「こんぺいとう……?」
冷たい湯気のようなものを出していて、放っておくと溶けてしまった。
カンッ。カラカラッ。

「それは流れ星だよ。」
少女は大きなガラスの器を頭に乗せて、金平糖を受け止めていた。

「かき氷にして食べようね。
シロップは何がいい?」




「星空」

7/5/2024, 3:33:55 PM