: 行かないで
私はなりふり構わず走った
どこをどう走っているのかもわからない
ただ、この機会を逃してしまえば
もう二度と会えないことを知っていた
どこっ、どこへ行ったの…
微かに聞こえるあの音だけを頼りに
私は尚も走り続ける
いたっ、やっと見つけた!
なのに屋台の親父は
私の姿を見るやいなや
猛スピードで逃げようとする
お願い、待ってぇ~、行かないでぇ~
私の焼き芋~!
私はそう叫びながら
ガバッと起きた
とある休日の昼下がり
娘を眺める母の目が
悲しげに笑っていた…
桜月夜
10/24/2024, 12:22:52 PM