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ひそかな想い

「こら!そこ 巫山戯てないで座りなさい!」騒がしい教室の喧噪を断ち切る様に
私は、怒鳴る。

するとしーんと静まり返った静寂
最初は、皆分かってくれたかと思い安堵した だけれど暫く経つと何事も無かったかの様にまた喋り出す教室の面々

まるで私に偉そうにしないでよと言っているみたいに....
教室の喧噪がまた始まった。
私の気力を使った大声は、まるで無かったみたいに届かない

私は、顔中が真っ赤になり目尻に涙が出てきそうになる。

そんな私の心中を知ってか知らずか
鶴の一声が掛けられる。

「皆 委員長の話ちゃんと聞こうよ!」
2列目の真ん中の席に座るクラスの人気者の
男子の一声で何もかもがガラリと変わる。
皆さっきとは、別人みたいに聞き分けが良くなり大人しくなった。
「委員長 話続けて!」人気者君が続きを
促して話やすくしてくれた。
私は、「ありがとう」とお礼を言ってその場での話を纏める事が出来た。

私は、人気者君の顔を見るニコニコと嬉しそうだ....。

分かってる人気者君は、困っている私を
見かねてそうやって声を掛けてくれた事....

だけど....私の内心のひそかな想いは、
黒く濁っていた。

人気者君が最初から委員長をやれば良かったのに....そもそも私だって本当は、
委員長なんて柄じゃ無かった
だけど誰も立候補者が出ず
先生もHRを終えられず困り顔だったから
仕方無く手を挙げたのだ....

それなのに蓋を開ければ中身は、こんな物
委員長なんて唯の飾り決まり事なだけなんだ....私の内心の惨めな気持ちも知らず
教室では、また楽しそうな笑い声が
響いていた。

陰と陽はっきりと別れたその明暗に
私は、その区画を他人事の様に
俯瞰して見ていた。
教室の明かりが照らされた区画は、
別次元の様だった....。

2/20/2025, 11:46:02 AM