『刹那』
大嫌いだと言った
そう言った刹那、あなたの声が響いた
まっすぐとした声だった
弾かれたようにあなたの目を見ると、あなたの目からは涙が溢れていた、でも強さを感じる目だった
でもやっぱり、優しさを隠せない目だった
あなたは私とは真逆だった
あなたの強い、大きな声
私の細い、小さな声
あなたのまっすぐと相手を見つめる目
私のなにもとらえられない目
なにもかも、あなたは私の欲しいものを持っていた
私はあなたが嫌いだった
でもそれ以上にあなたが大好きだった
大嫌いだと言った
ああ、こんなの本心じゃないのに
あなたが私になにか言っている
睨んでいるような目で私はあなたを見ていた
ちがう、こんな目を向けたいんじゃない
分かってる、私があなたを嫌いなのは自分のことが嫌いで嫌いで仕方ないから
そしてあなたが悪いところなんてひとつもないことも
それでもあなたは私を見捨てたりしなかった
私はいつまであなたを困らせるのだろう
大嫌いで、大好きなあなたを
刹那って言われてがーっと書いたから刹那要素が全然ない
4/28/2024, 2:41:59 PM