たくちー

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 軍手をつけていると感覚が分からなくなると外すことを強要される。手はひび割れてボロボロで血が乾いていた。寒さにより指の感覚がない。常に見られているため軍手が必要な時でさえ使用してよいのか分からなくなる。カンナは詳しい理由を説明されることもなく直径5cm程度の木材の端を丸めるために斜めに持つように言われた。自分は何の作業をしているのだろうか?例えるなら、プラモデルのパッケージを見せられる事なく渡されたパーツを加工しているような理不尽。完成予想図が共有される事なく必要な作業だけを知らされる。軍事工場でもないのに秘密主義的なやり方。自分なりに検索したり動画を見て一応の納得がいく答えを導いておく。ただ、それでもモヤモヤする。この人は教えるのが下手なんだろう。どうさ全員に好かれるのは無理だから、この人からは嫌われてもいいやと嫌いな人リストに載せる。木材の角を下から覗くと逆光が角で煌めいていた。注意される事はあるが褒められる事はないため正解かは分からない。休日は不十分な仕事の説明を解釈して飲み込むことに費やされる。全てを忘れてリラックスする事が出来ずにいた。心は作業場から離れていない。



題『逆光』

1/24/2026, 8:01:34 PM