Sunrise
眠れぬ夜。
何度も寝返りをうつ。
寝具に移る自分の温もりさえ、
酷く鬱陶しい。
ベッドを抜け出し、
何かから逃げ出すように、
外に飛び出す。
空に輝く星も、月も、
黙って俺を見下ろしている。
冷えた夜風に、
少しだけ、身震いする。
世の中は醜く冷徹で、
そこに住む人に心はない。
少しでも異質な存在を、
まるで地面を這う、
虫けらのように、
容赦無く踏み付け、
見えない振りをする。
夜明けが近づく。
今夜も眠れない。
残酷な現実が、
心を切り裂き、
俺を過去に雁字搦めにする。
The sunrise often mocks the sleepless.
夜明けはしばしば、
眠れぬ人々を嘲笑う。
笑いたければ、嗤えばいい。
人間も社会も、
背景になる事さえ
赦されない俺達を、
常に冷たい眼で、
嘲笑っているんだ。
汚泥に沈む俺達には、
陽射しは重く、そして鋭く、
泥の中で腐りかけた、
醜い心を斬り付ける。
眠れぬ夜が明ける。
陽の光が、無遠慮に、
俺の傷を白日の下に晒し、
安息の闇から俺を追い出すだろう。
…また、朝が来る。
5/22/2025, 8:35:08 AM