n.n.

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ないものねだりしても良いですか!!

前回の
『好きじゃないのに』
のお題が消えちゃったんですが、
そのお題で投稿しても良いですか!!
良いですね!しますね!!はい!!!

【※ちょっと、前半一部R15くらいの表現が
 あるかもしれないので、大丈夫な人だけ
 読んでください。…そこまででも無いかな…?】

よろしくお願いします🌟


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※文中に出てくる「汎」という単語は、
男性でも女性でも無い、汎性という性別のことです。
(『あなた』は私の好きな作品に出てくる子をイメージして書いており、汎性については原作内の設定です。)
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好きじゃない、のに、どうして。




最近、困っていることがある。

例えば。


夜寝ている時、あなたは寝ているはずなのに、
わたしをあやすように頭を撫でてくることがある。
最初は、起きているのかな?と思って、
控えめに声を掛けてみたことがあったけれど、
返事は無く、健やかな寝息が聴こえるばかりで。


それだけならまだ良い。
むしろ、寝ているのにそんな風に…だなんて、
わたしのことを本当に大切に思ってくれて
いるんだな、と思えて。

あまりに優しくわたしに触れてくるその手に、
無意識下でのあなたの行動に。
まるであなたの愛に直接触れたような心地で、
心がきゅうっとするような思いがして。

心の底からあなたのことを愛おしいと感じる
気持ちが溢れて来て、
すごく嬉しくて幸せな気分になる。

わたしも頑張らなくちゃな…
あなたのためにわたしは何が出来ているだろうか。


…話が逸れました。


そう、それだけならむしろ良かったのだ。
それだけにとどまらず、あなたは意識無く
私を抱き締めることさえある。


これが困る。
いや、嬉しいのは変わらない。
ただ…嬉しすぎるのか、
困った現象が起きている。


あなたに抱き締められて。
でもあなたは寝ているから、
起こしてしまわないようにと思って
意識的にじっとしようとしていると、
どうにも寝るに寝られず。

あなたの腕はわたしの背と腰に回り、
脚は絡み、胸は密着し。
あなたの体温を全身で感じながら、
あたたかいベッドの中で二人、
同じ布団にくるまっていると。

どうにも幸せで、心がほどけてくるように
ゆったりとした気分になって来たかと思うと、
…なんだか、おなかの奥が。
じわじわと痺れるような心地がして、
温かい熱が広がっていき、
何かが蕩け出しそうな感覚がして来て。


最初は、身に覚えの無い知らない感覚を
不思議に思うだけだった。


でも、何故なのか、
だんだんと息まで上がってくるような感じがして。

これは…?と思った。
何かの病気かも知れないと不安に思って
端末で調べてみると、
とんでもないことが書いてあった。


ショックだった。


ただ大好きな、愛しいあなたと
ぴったりとくっついているだけ、
抱き合っているだけなのに。


自分の浅ましさに眩暈がした。


こんなの、
あなたに対する裏切りだと思った。


だって、あなたは汎で。


わたしはあなたのことを愛しているし、
あなたもわたしのことを愛してくれているけれど、
あなたは恋愛や性愛や、
そんな意味でわたしのことを好きなはずがなくて。


わたしだって、そのはずで。


わたしがあなたのことを、
そんな目で見ているなんて。
そんな意味で、好きだなんて。
…好きじゃ、ない、はずなのに。


認めたくなかった。


だって、もしそうだとして、汎であるあなたが、
わたしのこの気持ちを喜ぶはずがない───・・・。





わたしは、あなたと出会うより前の記憶が無い。


記憶が無いと言っても、
自分に関する情報を名前以外に思い出せないだけで、
読み書きは出来るし、
ナイフやフォークなどの使い方もわかった。

…ただ、フードプリンターや
空間転移、概念伝達等の機械や装置の扱い方は
てんでわからなかったけれど…。

相当な機械音痴だったのかも知れない。


…とある惑星で、
事故か事件にでも巻き込まれたのか、
何があったのかはわからないが
私は大怪我をしたらしく、
その衝撃で記憶を失ったらしい。

危うく命さえ失いそうだったところを
--が助け出してくれたのだ。


運ばれた病院ですぐさま医療ポッドに入れられた
らしく、治療が終わって目を覚ましたわたしが
最初に見たのは、心配そうにわたしを覗き込む
あなたの綺麗な顔だった。



「…、目が覚めた?」


「………、…誰?」



…それが、わたしとあなたとの最初の出会いだった。


曰く、あなたは人を助ける軍人で、自分が救助したわたしがあまりにも酷い状態だった為、心配して無事が確認できるまで付き添ってくれていたのだという。

驚いたことに、出会った当時は18歳という若さでありながら、軍での階級が中尉であるとのことで、忙しくないはずが無かったと思うんだけど…。
本当に責任感の強い人だ。


目覚めて互いに自己紹介を終えたところで、
わたしが自分の名前以外思い出せないことが判明し、
軍の中尉である--が、
わたしの本来居るべき場所が判明するまで
身元を引き受けてくれることになったのだった。


わたしは自分の持ち物を何も持っていなかったので、
軍のデータベースとわたしのデータを
照合することが出来ず身元が判明しない上、
なかなか記憶の戻らないわたしを心配した--が、
わたしを色々な場所に連れて行ってくれた。

相変わらず記憶は戻らなかったけど、
あなたといる時間はとても楽しくて、
嬉しいことばかりで。時々喧嘩もしたけれど、
その度にあなたの良いところを知ることが出来て。

そうして一緒に様々な体験をするうちに
お互いのことを深く知り合って、
記憶の無いわたしが最初に出会ったあなたは、
いつしかわたしにとって
かけがえの無い存在になっていた。


あなたが何故こんなにも
わたしに良くしてくれるのか。
どうしてそんなにも、
慈しむように優しい笑顔を向けてくれるのか。


本当にわたしたちが出会ったのは
あの日が初めてだったんだろうかと、
わたしたちの関係を疑問に思うこともあったけれど。

そんなことは些細なことに感じるくらい、
あなたがわたしを見る瞳は本当に優しくて。
私たちは強い絆と信頼で結ばれていた。


それは、恋だなんて単純なものじゃなくて、
言うなれば魂で繋がり合っているような。



お互いがお互いにとって、
とても大切で、特別な存在だった。



だからまさか、こんなことになるなんて。



わたしは、自分の心と身体が乖離してしまったように感じて、突然置き去りにされた子どもみたいに、
どうすれば良いのか全然わからなくなってしまった。


これから、
あなたに対してどう接すれば良いんだろう。


今まで、どんな風にあなたと過ごしていた?


そんな目であなたを見てしまっているなんて、
絶対にバレちゃだめだ。


でも、突然距離を取るなんてことをして、
あなたに怪訝に思われたり、
あなたを傷付けたりしたくない。

でも、普段のようにあなたと気軽に触れ合ったり、
あなたを直視できる自信がない。

この手から、視線から、声から。
あなたに、わたしの中にあるかも知れない何かが、
伝わってしまいそうで。





どうすれば良いんだろう。







好きじゃない、はずなのに。










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何も知らない人でも読めるように書いているつもり
ではありますが、わかりづらかったらすみません!


原作は宇宙船の中での話なので、
やっぱり若干世界観違うんですが、
3/16投稿の『星が溢れる』の二人の話でも
あったように、現代より結構未来の、
気軽に(と言ってもそれは「あなた」が軍の中尉で財力があるからかもしれないけど)宇宙船を買って色んな星に小旅行ができるようになった時代だと思って、
あまり考えずに楽しく読んでもらえたら嬉しいです🤣


ないものねだりを許してここまで読んでくださった
心の広い方、ありがとうございました\(^o^)/


続きます。


前の『夢が醒める前に』と
『ところにより雨』もまだ書けてないけど、
そっちも書く気ではいます…🫠


また読んでくれる方はよろしくお願いします🌟



※ 「わたし」の記憶が無いのも、
 「あなた」が軍人さんなのも、
 原作のゲームにある設定です。

 フードプリンターとかも原作に出てくる、
 今で言う3Dプリンターのように、
 食べられるご飯が作れるプリンターです。

 一部の二人の関係を表す表現は、
 原作にもある表現です。
(ネタバレしたくないのでどの部分かは伏せますが…)

3/27/2023, 9:47:00 AM