些細なことでも。
夕飯を終え、皿洗いをしているといつもは大騒ぎの息子が何やらおとなしい。
「どうかしたの?眠くなっちゃった?」
そう声をかけつつ手は自然と息子の額に向かう。
…少しあたたかい。
「お熱、測ろうか。」
案の定、37.4℃。微熱だ。
「今日は身体だけ拭いて、はやく寝ようか。」
そう声をかけると、
「どうしてお母さんは僕のことがわかるの?」
と頷きながら息子が聞いてくる。
それはね、あなたのことが世界で一番大切だから。
忙しくてなかなかかまってあげられないけれど、
毎日ちゃんと、あなたのこと見ているよ。
だから、いつもと違ったら、
些細なことでもすぐわかるの。
だいすきで、大切なかわいい子。
これから先も、ずっと見守らせてほしい。
さて、まだ小さいこの宝物にどうやって
伝えたらいいだろうか。
わたしを見つめる小さな目を見つめ返しながら、しばし考える。
「それはね……」
9/3/2023, 1:46:11 PM