君を探して
冷たく閉ざされた部屋で、
君の名を呼んだ。
最初から、知ってた。
返事なんてないことは。
いつからだろう。
いつも影のように、
君の傍にいた俺が、
君の瞳に映らなくなったのは。
君の笑い声は、
ガラス越しみたいに、遠く。
俺の言葉は、君には届かず、
風の中に溶けていく。
想いは、胸の奥で、
何度も崩れ、砕け。
鋭い欠片が、突き刺さって、
痛みを刻むんだ。
手を伸ばしても、
空を掴むだけで、触れられない。
呼びかけても、
声は掻き消されて、届かない。
それでも、俺は、
君を探してしまう。
どんなに愚かでも。
どんなに無意味でも。
君を忘れる術を、
俺は知らないんだ。
あの日、交わした約束は、
幻なんかじゃなかったのに。
君は俺を置き去りにして、
明るい未来へと、
歩いていってしまうんだ。
もし。
心の全てを、壊してしまえば、
この痛みも、消えるのかな。
君との友情も。想い出も。
叶うことの無い恋慕も。
それとも。
また、君を探して、
終わりのない夜を、
独り、彷徨うのかな。
3/15/2025, 5:13:10 AM