ほろ

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ずっとお側にいますよ。約束です。

もう何年も前にご主人様と交わした言葉。
私の体はもう人間のものではないけれど、その約束だけは守ろうと決めている。

「遅い。いつまで待たせるんだ」
「申し訳ございません」
プログラム通りにしか対応できないこの体は、とても不便だ。ご主人様が怒っているのが分かるのに、何もしてあげられない。謝ることしかできない。
「それと、何度も言うが祐介でいい」
「はい、かしこまりました。ご主人様」
舌打ちが聞こえる。
呼べばいいのに、とプログラムで動く体に言うけれど、聞いてくれない。祐介様。呼びたいのに、口は動かない。
「もういい」
呆れたようにそっぽを向かれ、血が通っていないはずの心臓が痛む。
「申し訳ございません」
そんな顔をさせたくて、この体になったわけじゃないのに。私は、貴方が幸せでいてくれたらそれでいいのに。どうして私の心臓は、人間の時のように動いてくれないのだろう。

3/27/2024, 12:05:15 PM