▶103.「ココロ」「未来の記憶」
102.「星に願って」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
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〜人形たちの知らない物語〜
ワルツ発動以前ではあるが、詳しい日付は不明。
対フランタ技術局の面々が、ただし一人を除いて、
夜な夜な密やかに賑やかしく作業を行っている。
「じゃ、いくぞー。『喜び』」
「動力源である熱を得た時」
「あ、ずるい!でもそれじゃかわいくないな。あったかい時!」
「身づくろいが上手くいったとき」
「え?えー…名前を呼ばれた時?」
「うー、分からんときの奥の手、今こそ使わせてもらおう!お題チェンジ!『悲しみ』!寒い時!」
「故障箇所を見つけたとき」
「マスターと離れる時?」
「えーと、えーと、えー…
局員の一人が言葉に詰まっていると、
部屋のドアが開かれ、局長が入ってきた。
「おー、今夜もやってるなあ」
「局長!グッドタイミング!助かったー」
「いやいやいや、どうみてもお前が負けだ。明日の飯当番はよろしくな」
「ええー、そんなぁ」
「何をやっていたんだ?」
「メカの感情プログラムづくりだよ。連想ってほどじゃないけど、順番に言ってアイデア出ししてたんだ」
「ほぉ〜、これか。うん、どれもいいな」
「やったね、早速入力してこーぜ」
メカの自律思考に性格傾向をつけるため、
感情プログラムの入力をしていた。
行動の全てを網羅するのは難しいが、
判断基準となる例をいくつか作っておいて、
後は、それを元に学習させていくことにしたのだ。
それを、ただ挙げていくだけじゃ面白くないと、ゲーム形式にして遊んでいたようだ。
(かなり雰囲気が明るくなってきたな)
いつの間にか、遊び心すら忘れていた。
「なぁー、これって俺たちが、メカのココロってやつを作ってるってことだよな」
「想定される事態を事前に入力しておくという意味では、未来の記憶とも言えるな」
「どうせなら楽しいこといっぱいだといいなぁ」
「そうだな、そうであれば____も楽しい日々を過ごせていることになるしな」
2/12/2025, 9:44:53 AM