冬山210

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『君と一緒に』

君と一緒に、ここまで歩いてきたんだ。
私がこうして何かを書くようになったのは、
思い描いたものを文章として残すようになったのは。


そりゃ元から妄想が好きな子だった。
漫画の中のキャラクターともし会えたら…
なんて妄想、年齢一桁の頃からしてた。

でもある時、君が生まれて。
私は初めて妄想を書いたんだ。
文として、小説として、君のことを書いた。

最初は私の分身だった。
次第に一人のキャラクターになった。
私を元として生まれた、私の理想を詰め込んだ、
君が私に書くことを教えた。


描くことから逃げ出しても、
生み出すことをやめなかったのは。
書くことすらもできないのに、
決してそれを手放そうとしないのは。
君と一緒にいたあの日々が本当に楽しかったから。

きっともう、君が主人公になることはないけれど。
それでも君はいつだって一番近くにいる。
日の目を見ることのない、
君の苗字は『冬山』。

1/7/2024, 6:16:53 AM