ノーム

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『イルミネーション』


「…………アンタどうしたの?」

「……いや、僕って暗いから……こうすれば……まだマシかなって……思って……」

「いや、だからって……身体中にイルミネーション巻き付けるのは違うんじゃないかなぁ〜って」

「……ダメ?」

「ダメっていうか……こう、ズレてるというか……とにかく辞めた方がいいんじゃないかな?」

「……そっか……じゃあどうしたら……明るくなれるんだろう……」

「……そのままで良いんじゃない?アンタが思ってるよりも、誰もアンタに興味なんて無いよ」

「…………」

「わーー!泣かないでっ!ごめんっ!そんなつもりで言ったんじゃないから!」
「私はアンタの良いところ沢山知ってるよ!無理して変わろうとしなくても、分かる人だけが分かれば良いんじゃないかなって思うの」

「……それは……そうだね……でも何だか寂しいんだ……」
「……みんな……青春を持ってる……僕だって欲しかったけど……無理だったから……」

「だから明るくなろうとしたの?」

「……うん」

「そっかぁー……でもやっぱり、アンタはアンタのままでいいと思うよ?」

「……どうして?」

「みんな青春を持ってるのかも知れない、みんなアンタより明るいのかも知れない」
「だからこそアンタみたいな人が必要なんだよ、本当に全員が全員明るかったらその価値が無くなるでしょ?」
「逆に考えたらアンタは青春を持ってる人、明るい人を客観的に見る事が出来る貴重な人なんだよ!そこは喜んでもいいんじゃない?」

「……そっか……そうかも……知れないね……僕は僕なりに頑張って……考えて生きてみるよ」



「……でもやっぱり……僕だって……青春を持ちたかったなぁ……」

「いや、その性格じゃ無理でしょ」

「…………」

「わーー!ごめん!泣かないでっ!」

12/14/2022, 12:01:57 PM