NoName

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すぅっと消えていく明かり。
ぷっつりと消えていく癖に、刹那の輝きは本当に綺麗で。

この光景を、あいつはもう何年も見ていない。

”昼に起きていられない病”
そんなもの、本当にあるのか疑問だった。
でも、夜明けと共に気絶するように眠ってしまう姿を見て、嘘じゃないって解って。
同時に、すごく、苦しくなった。

あいつが起きている世界は、暗闇に人工の光が煌めく世界で。
俺がいる自然の光に彩られた、鮮やかな世界とは真逆で。
そんな世界に取り残されたあいつと、どうしても話をしたくて。

だから、俺から会いに行こうって思ったんだ。

”沈む夕日”が再会の合図だなんて、あいつが知ったら呆れたように笑うんだろう。



沈む夕日

4/7/2023, 2:09:27 PM