ましろ

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深い深い海の底へ
隠したい思いを沈める。

そうでもしないと溢れ出してしまいそうで
だけど、その思いが消えるのが、少し寂しくて

自分で決めたことだ。この思いを捨てるのは。
そう考えても、後悔が少しずつ湧き上がっていく。

いっそのこと、この広い海に溺れてしまいたい。
どうせ怖くなって、泳いで戻るのだろうけど。

自分から沈んでいく勇気などない。
背中を押されても、直前で嫌になる。


だんだん全部が嫌になって
綺麗な空も、海も、嫌いになってしまうのだろうか。
そんなひねくれものにはなりたくないのだけど…


「好き」という感情も
「愛」という想いも

海に沈めてしまえば、きっと見つからない。
浮いてしまわないように、真空の箱に入れて
鍵もつけて。

こんな想いは、あってはいけない。
君に、君たちに、向けてはいけない。



暗い暗い海の底
そこに沈むは、純粋な恋心か。
それとも、嫉妬にまみれたどす黒い愛情か。

それを知るものは、誰もいない。


ー沈めた本人でさえ、覚えて無いのだから。





  お題 : 海へ

8/24/2022, 9:14:22 AM