【逆光】
瞬き一つ、違和感がこの世界に顕現した。
ぐるんぐるんと回る感覚がする。
実際そんなことはないのだが、脳みそが頭蓋骨の中で転がっている。
この感覚、私自身あまり好きではない感覚。
どうして地面が夕焼けの空になっている?
何故皆の姿は4Bの黒鉛筆で塗り潰されている?
どうしてヒマワリは太陽を背に咲き誇っている?
ぐるんぐるん、ぐるんぐるん
ぐるんぐるん、ぐにゃり
嗚呼、もうすぐ醒めてしまうのか。
私の身体は今頃カーテン越しの朝日に暖められているんだろうか。
可笑しくも至福の時間にまた別れを告げなければいけない。
でも、最後、もうすこし、あとすこしだけ…
┈
脳みそが浮上する感覚からの解放という一連の流れは未だに好きになれない。また1日生きることを頑張らないといけないからだ。
最後に見えたものは何だったのだろうか…。
思い出したいけれどなかなか思い出せないので、逆光でよく分からなかったことにしておこう。
【逆光】
1/25/2024, 1:52:10 AM