【君が見た景色】 濡羽色の髪。まっさらな肌。密度の高い睫毛。通った鼻筋と薄い唇がつくる優雅な横顔。 君の瞳が輝くとき、君の見ている世界に羨望を抱いた。君の世界は僕やみんなの見ているそれとは「何か」が決定的に違って、「何か」が何なのか分からなくて、そのせいで君はいつも独りだった。 でも、その「何か」が、君は大好きだった。 だから君は僕を見ないし、見たとしても「何か」を通してしか見られない。 それがさみしくて、かなしくて、羨ましかった。
8/15/2025, 6:19:43 AM