ある古い書物の一節にて。
女性は鏡を覗き込んだ。そこには鏡の中にいる自分。
たわいのない風景だ。
ところが、暫く髪の毛を解いていたら、鏡の中の女性は独りでに動き出した。
自分と同じ女性はこちらを見つめながらも、ニヤつく。
そして、手を伸ばした。「美しい、私はもっと美しくなりたい。その体がほしい。」そう言って、女性は鏡の外にいる女性の腕を掴んだ。
女性は鏡の中に引き込まれてしまった。
その後、この女性がどうなったのかは誰もしらない。
なんと不気味な話なのだろうか。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
11/3/2023, 10:05:03 AM