CICADA

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俺の相棒は神様でもなければ悪魔でもない。
ただの、普通の1人の青年だ。
まぁ強いて言うなら射撃の腕が神憑り級だってところか…。
正直、よくまぁ本物のバケモノたる俺の傍に立ち、相棒と認めてくれたもんだとは思う。
多分、俺の正体には薄々勘づいてるか、もしくは既に確信に至っている頃だろうに…

それでも俺を慕い、信じ、おまけに恋慕の情まで抱くのだから驚きだ。

だから俺が無茶をした時に
「貴方が自分を大切にしないのなら、有事の際に僕は貴方の後を追います。僕は貴方が思うよりずっとしつこい男ですからね、ヴァルハラの先までだって貴方を追い回してやりますよ!」
そう啖呵をきられた時は一瞬心が傾きかけたし、あの時のあいつの声は泣いていたせいでひどい声だった筈なのに……なのに、俺はその時こう思ってしまったんだ。

本当に神がいるならきっとこういう声をしているのだろう、と。

まぁ、相棒の欲目ってやつだろうけどな。

7/27/2024, 11:59:37 AM