ミミッキュ

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"どこまでも続く青い空"

「…しっ、これで準備完了っと」
 今日の開院の準備をいつも通り全て終わらせた。開院時間まであと三十分ある。
──時間まで窓を開けて、外の新鮮な空気を入れようかな。
 正面玄関から一番近い部屋に行き、部屋の窓を開け放つ。ビュウ、と秋の冷たい風が一気に吹き込んできた。
「…寒っ」
 う〜…、と自分の肩を抱きながら寒さに身を震わす。
「うおぉ…っ」
ふと窓の外を見上げると、雲一つない、一面に澄み渡った青空が広がっていて、思わず声を上げた。
「……」
 ふっ、と微笑む。
──良い事あるといいな。……なんて。
 綺麗な空に少しの間見蕩れる。そろそろいいか、と窓を閉めて時計を見る。そろそろ時間だ。
 正面玄関の扉の前に行き、扉の内側を覆っていたカーテンを閉め、扉の錠を開ける。観音開きの扉の片方を開ける。同じ冷たさなのに、先程と違って穏やかな風が吹き込んできた。
「ふぅ……」
 その風の気持ち良さに、思わず一息吐く。空を見上げると、こちら側にも雲一つない青空が広がっている。
 よし、と身を引き締めると、扉を閉めて診察室に向かった。

10/23/2023, 12:11:07 PM