『影絵』
眩しい…
強い光に包まれた
どこから光が当てられてるのか
それが分からない
眩しさに少しだけ目が慣れてきた
そこには……
自分の影―――
それも、複数の……
影だからか
その表情は分からなかった
この影たちは……私…
今にも襲ってきそうな感じが
何故か漂ってる
どんどんにじりよってくる
その圧で怖くなり
後ろに下がる
そこで何かにぶつかった
壁?こんな所に?
……違う
私は、「影(私)」にぶつかった
囲まれた!?
……違う、
この私……怯えてる
前にいるたくさんの影の私達は
後ろの少ない影の私を狙っていた
そして――――――
それは影絵のような光景
全く音はなかった
全て自分の
見るに堪えない酷い光景……
……なぜ?
……ううん、うそ
………これは
私の心だ
私は常に
私の本心を押し殺して生きている
それを、こんな形で
私は私に見せてるんだ
今ここにいる私は
そんなこと思ってない
………訳じゃない
いつの間にか自分の気持ちを
押し殺すことを慣れてしまっているんだ
これは…
この影絵のような光景は……
私が押し殺し続けてきた
「私の本心が見せてる最後の警告」
なのかもしれない……
……ぁぁ、そうだ
私は、私の気持ちを
ずっと…ずーっと……
……………………目を覚ました
酷い寝汗だった
夢の光景は…、少し覚えてる
部屋の鏡を見た
私は私を毎日見てるはずなのに
私はなんだか久しぶりに
「私」を見ている気がした
寝汗は特に、
目の周りに多かった―――
〜シロツメ ナナシ〜
4/20/2025, 5:14:15 AM