紫月

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想いを伝える勇気も覚悟も持てないまま、毎日が過ぎていく。卒業という言葉が、どんどんと形を持って私の前に迫ってくるようで、今にも自分の机に突っ伏して泣いてしまいたい気持ちを抑える。
どうせ、やめて止まってとなりふり構わず泣いても、時は止まる事なく進んでいくのだ。

「おはよう!今日もいい天気だね」

私ではないクラスメイトへと向ける、太陽のように輝く彼の笑顔を見ながら、私は太陽を見つめて呪う。もう昇ってなんてこないで、と。


『日の出』

1/4/2024, 1:42:37 AM