「君を探して」
あれはただの口説き文句だと思うけど、あの頃の私にはなぜかその台詞が響いちゃったんだよね。
仕事で大失敗して、付き合ってた彼氏には浮気されて、友達にも裏切られて…もう満身創痍でどうしようもなかった。
全てどうでも良くなって、アパートの屋上でお酒を浴びるように呑んで、そのまま下に落ちてやろうか、なんて思ってたら、扉が開いてひとりの男が私の腕を強く握ってこう言った。
「はぁ、はぁ、やっと…やっと間に合った。僕はずっと…君を探してたんだ。」
何言ってんだって思ったけど、気づいたら涙が溢れて止まらなかった。
3/14/2025, 11:16:10 AM