気になるあの子に声をかけられた。
「放課後𓏸𓏸教室に来てください。」と、
その声は震えていて顔は熱を帯びている。
何か大事なことを伝えようとしてくれている。
ただそう感じた。
(一体何の話だろう。)
その日はあまり授業に集中できなかった。
柄にもなく緊張していたんだと思う。
そしてその時は訪れた。
教室で待っていると、戸を叩く音が聞こえた。
上ずる声と震える手。が見える。
あまりにも切羽詰まった顔をするものだから少し驚いてしまう。
未だに彼女が自分に何を話そうとしてくれているのか検討もつかなかったが、緊張が少しでも解けたらいいなと思い笑顔を作った。
「本日はお日柄もよく、、、」
彼女はそう話始めた。
余程言いづらいことなのだろう。
彼女は言葉を選び、タイミングを伺っているように感じた。
話すネタが尽きたのか、彼女は何も話さなくなった。
僕から話を振るべきかと思い声をかけようとする。
すると「君が好き」と唐突に彼女はそう言った。
初めは冗談なんかじゃないかと思ってしまった。
しかし彼女はそんなことをする人ではない。
何より彼女の真剣な眼差しが、震える手が本当だと訴えているように感じた。
彼女は僕に思いを伝えてくれた。
それならば僕も彼女に本当の事を伝えるのが筋だと言うものだろう。
「ありがとう。、、、、ごめんなさい」
熱い鼓動
7/30/2025, 11:10:50 AM