なかじ~

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揺れる裾を塚みたくて、でもそれはあまりにも気恥ずかしくて。
甘い、酸っぱい、ぴりりと痛い、小さな小さな恋心。彼女の裾が揺れていた。
出会ったときは長袖だった。夏になれば半袖にはなったけど、冷房がききすぎてすぐ彼女はカーディガンを羽織った。
だから私には、彼女の半袖姿という記憶があまりない。
長袖の裾を摘まむので精一杯だった私には、半袖の彼女に飛び付く勇気もない。
私は彼女に恋をしていた。
リボンを外したシンプルな制服姿が、他の誰よりも似合っていた。
長袖の記憶が焼き付いている。
いつか彼女が半袖で、私の前で笑ってくれればいいのに。それくらい、長く多く彼女の隣で、友人としていれればいいのに。
それ以上の関係は、もう二度と望まないから。
そんな願いをこっそり将来に託し、私は今日も長袖の制服に腕を通す。

5/28/2024, 2:57:38 PM