紫陽花と雨の演奏会が続く中、合いの手のような足音を立てながら、ふたりはのんびり歩いていく。
「あ……」
道が少し細くなっていた。
青年は、少し考えたあと、笑顔になって自分の傘を彼女に傾ける。
「おいで」
青年の声が、優しく響き渡った。
その声が、言葉が嬉しくて彼女は傘を畳み、彼の傘に入る。すると彼の手が肩に回された。
「離れちゃダメだよ」
そして、ゆっくりと歩みを進めた。
おわり
お題:相合傘
6/19/2024, 11:55:13 AM